小さな平屋をリノベーション。この家を最初に見たときに思ったのが、南側道路で敷地も広く、うまく外構をすれば車2台並列で停めれるし、陽当たりも良くてのんびり暮らせるステキな平屋ライフ!と外観だけ見て思ったのですが、中を見るととにかく狭かったです。
一番の疑問点が南西の角に水回り(洗面・トイレ・浴室)スペースがきていることでした。玄関も南の真ん中にあるので日当たりのいい部屋は4和室の一部屋だけです。さらにキッチンは北西の角にあってとにかく暗いんです。また寛いでたであろう和室は北東の角、なんか陰気臭い間取りだったんです。
そこでとりあえず最初に考えるのは、外壁をあまり触らなくていい、サッシ等の交換も少なくていい間取りとして考えたのが次のプランでした。
これなら水周りの位置を変更しないで済むし、サッシや外壁をあまり触らなくて済むので少しリーズナブルプラン。しかし、南側に面するのは一部屋だけは変わりません。どんなにリノベーションで奇麗に施工しても自然の光を取り込むことはこのプランではできません。
やはり売主と打ち合わせたのは、気持ちよく家族が住んでもらえる小さな平屋を作ろう!ということでこの間取りは没になりました。
まあ当然と言えば当然ですよね、少し予算が上がっても良いものを作ろうのもと今回のリノベーションのプランが出来ました。
昭和49年築の建物でしたが、シロアリ等の被害もなく、平屋ということもあり工事はスムーズに進みました。
南側に2部屋個室があるのはやはり良いです、3人家族でもなんとか住める広さ、2人でもそれぞれの個室が持てますしね。またそれぞれの個室が玄関スペースを介してるので音の気遣いなく過ごせます。南西の洋間は玄関スペースからの入り口も考えましたが、中途半端な位置に入り口ドアが付くことと、北西のリビングからのアクセスの方が便利と考えました。また北東にリビングを持ってきましたが、正方形の大きな空間で東側に大きな掃き出し窓もあり、明るさもある程度確保できました。正方形で使い勝手は悪いかと思ったのですが、それなりに小家族であれば家具の配置も良い具合に収まります。
洗面室に入ってトイレにアクセスするようにプランニングしました。そのおかげで洗面室が広く開放感があります。トイレのドアを付けるか付けないかで迷いましたが、お客様が来られた際にはある方が落ち着くのではないかと考えドアは採用しました。
オープンな外構で開放感もあり、思っていたような仕上がりで完成当日にお客様と巡り合い、以前からこういう平屋をお探しだったということで早々にお引渡しさせていただきました。
小さな家やマンションをリノベーションするのは難しさもありますが、面白さもあります。次のオトナの隠れ家シリーズにも参考になることもあった貴重な物件の一つでした。
解説:坂本隆二
施工工事:有限会社丸興建装社 企画・販売:株式会社アールホーム 事業主:西日本不動産コンサルタント株式会社 参考再生施工金額:5,5000,000円(消費税、家具の値段は含まれておりません)